折伏の楔を打ち、〈大悪から大善へ〉躍り出よう! 涌德寺住職 秋山堅栄
立宗七七一年の新春、明けましておめでとうございます。
年頭にあたり、総本山にて宗門厳護と広宣流布の陣頭指揮に暇無き御法主日如上人猊下の愈々の御健勝と、我が涌徳寺檀信徒の皆さまの益々の御多幸を、衷心より御祈念申し上げます。
皆さん、「幸福」が貧しい姿をして三軒の家を訪ねる話を御存じですか。
『一軒目は、大きな家で番犬がいます。「何の用だ?」みすぼらしい姿に主人は「貧しい者に用など無い」と怒りを露わにすると、番犬も追い立てるように吠えたて、門前払いです。
二軒目の家は、広い庭に鶏を飼っています。家主は化身を見るなり、「鶏を盗まれる」と疑いの心を露わに睨みつけると、鶏も羽根を拡げて鳴き叫び、化身を追い払ってしまいました。
三軒目はウサギを飼っている家です。化身を見ると、家主は優しく迎え入れ、おにぎりに沢庵も出してくれました。その横で、ウサギが昼寝をしています。化身は、ウサギが眠っている家の隅っこに、そっと幸福をおいて去りました』
今年は癸卯歳(兎年)です。
大聖人様はウサギが月に昇った理由を「兎は経行の者を供養せしかば、天帝哀れみをなして月の中に置かせ給ひぬ。今天を仰ぎ見るに月の中に兎あり」(御書一三七三㌻)と、説かれておられます。
昔、帝釈が貧しい修行者の化身となり、ウサギ・猿・狐に食物を求めた所、何もないウサギは火の中に飛び込み、我が身を捧げました。帝釈は、この純信な信心を永遠に讃えようと、ウサギを月に召したのです。今日も空を見あげれば、世界中の人々が、月の中にウサギの姿を仰ぎ見ることができます。
さて、心新たな希望と大誓願に向かってスタートした「折伏躍動の年」。我が涌徳寺支部僧俗は、本年も講頭を中心に全員が広布実現の主役であるとの尊い使命を片時も忘れることなく、「水魚の思い」で、ともに祈り、ともに語り、ともに邁進して参りましょう!
大聖人曰く
「御信心を出だし此の御本尊に祈念せしめ 給へ。何事か成就せざるべき」
「南無妙法蓮華経は師子吼の如し。いかなる病さはりをなすべきや」(『経王殿御返事』 御書六八五㌻)